実例
彼女は、母親が自分の言うとおりに、
思う通りにしないことに納得できず、
腹を立て、母親を責めている。
それは、おそらく、
彼女自身が母親の言いなりに生きてきたからだろう。
彼女は、成長の過程で、
愛情とは、
相手を統御するものだと学んでしまった。
さらに、
他人に認められること、褒められることを
目標と目的にして生きてきたことで、
他の人の言うことを信じやすく、疑いにくくなり、
同時に、
周りの人に嫌われ、独りになることを恐れ、
迎合し、自分の感性に蓋をしてしまい、
結果、自分の想いや考えがわからなくなってしまった。
他人との関係が悪化するたび、
傷つき、悩み、落ち込んだ。
仕事もうまくいかなくなっていった。
友人や医師に相談し、意見を求め、
その通り実行しても続かない。
同じことの繰り返し。
他人との関係はどんどん悪くなり、
恐れていたことばかりが次々と起こる。
彼女は、他人に執着しながら、
相談相手の意見に「でも」「だって」と反発し、
思い通りにいかず苦しいと、
自分と他人を責め続けている。
...............
本当は、誰の言うこともききたくない、
言いなりになどなりたくないのだ。
彼女の当面の課題は、
自分をないがしろにしている自分に気づき、
自分が本当にしたいと思うことを見つけて実行すること。
そして、
愛情とはどういうことかを身を以て学びなおすこと。
彼女にも既に
こんなにもたくさんのものが与えられている。